
登山ガイドの村井です。9月に入って朝晩に秋の気配を感じるようになりました。
夏山シーズンもそろそろお終いですね。
今年のシーズンは長野県の山岳遭難が10年で最多となってしまいました。山岳遭難は全国的にみると道迷いが一番多いのですが、北、南、中央アルプス、八ヶ岳といった高山に接する長野県は様相が違います。遭難原因の最多は転倒・滑落です。この二つは一緒に考える必要があります。転倒した場所が悪ければ滑落に繋がるからです。
登山者数が減少傾向にある中でこれだけ遭難が増えた原因は自分の力量を見極められていない登山が大きいと思っています。
今は山の会に所属せず単独で登山をはじめる方が増えました。私もそうでした。そして、youtubeといった動画サイトでは高山の山行動画を誰でも気軽に見ることができます。
配信者が歩けていても自分はどうでしょうか?
10時間以上動き続ける体力や、小石が目立つ場所で滑らずに安全に歩ける足さばき、悪天候に遭った場合は柔軟に計画の変更ができるでしょうか?
力量に見合わない登山はテレビでテニスの試合を見て自分もレシーブやサーブが打てると過信するようなものです。
登山家は別ですが私たちが登山をすることは趣味です。楽しむことが目的です。
難しいコースにチャレンジすることも楽しさの一環ですが、命をかけてまでする遊びでしょうか。いえ、おそらく自分が抱えているリスクを冷静に判断できない方が多いのだと思います。
アウトドアのレジャーはスキーやサーフィン、ツーリングなど様々ですが登山は途中でやめることが出来ないレジャーです。
3000m級の山岳は10月になれば初雪が降ります。季節が冬へと移り変わっていきます。どうぞ安全に山をお楽しみ下さい。
参照:ことしの夏山登山 長野県での遭難 過去10年間で最多に
コメントをお書きください