【登山ガイドたより】4号

【登山ガイドたより】4号
5月も終わり丹沢の山々に山ビルが増える季節となりました。山ビルはすべての登山コースに多いわけではありません。鍋割山や塔ノ岳、大山のケーブルカー利用のコースは少ないと言われています。
来週の登山教室の下見に丹沢へ出かけました。結局一匹も見かけませんでした。数年前の同じ時期、雨の日に歩いたときは1匹くっついてきましたので、丹沢には晴れの日にお出かけするのがオススメです。
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5月29日/晴/最高気温29℃/最低気温18℃
大倉-西山林道-二俣-鍋割山-塔ノ岳-堀山の家-大倉
クワガタソウとシロカネソウがあちらこちらで見られました。

 

「遭難予備軍を見かけた話」
同じ日の出来事です。二俣で女性の三人グループに出会いました。木橋がかかっている場所で、よく見ればすぐに渡渉点がわかるのですが、見つけられずに右往左往しています。気になったのでしばらく様子を伺うことにしました。
続く本沢は一部沢の中を歩く場所があります。ペンキマークもある場所で登山経験者なら問題なく歩けるのですが、ここでもどこへ行って良いか分からない様子。私が先導して登山道へお連れしました。
沢を抜けると傾斜がきつくなるので足並みにばらつきがでやすくなります。ペースの速い方はドンドン歩いてペースの遅い方は後から追っていかれました。結局、鍋割山の山頂には10〜20分おきに1人ずつ到着していました。グループがバラバラに登山しているのです。
危ないのでどちらに下山しますか?と声をかけると「決めてません」と一言。地図を持っているか確認すると「ありません」と返ってきました。登山届も出していないことが明白でした。
周辺のコースを説明すると来た道を帰ると決めたようです。後沢乗越を通り過ぎないようにとアドバイスをさせて頂きました。
危険なグループなので後で遭難騒ぎがあった場合、情報提供できるように顔をよく覚えておきました。
丹沢は初心者の山歩きのコースとしてよく紹介されていますが、毎年多くの遭難事故が起きています。まったく山登りをされない方が数多く訪れるのが要因の一つです。

グループ登山をするときのマナー
・登山届を出す
・地図を携帯する
・遅い人にあわせる
・お互いの姿が見える範囲で行動をする

山は日常と違う場所。自然を楽しむポイントは注意深くなることです。

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コメント: 2
  • #1

    立川 (火曜日, 31 5月 2022 17:52)

    5月28日土曜日、大山のケーブルカー利用コース(正確には登り=女坂、下り=見晴台経由ケーブルカー利用)でヒル被害1名発生示した。メジャーなコースですが雨上がりは要警戒です。

  • #2

    登山ガイドむらい (火曜日, 31 5月 2022 18:03)

    情報有難うございます!
    前日の雨が影響でしょうか。やはり雨後は危険ですね。栗ノ洞や鐘ヶ嶽ほどウジャウジャしていないものの、気を抜くとやられますね。