![2021/10/02撮影](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s9379da560eef5b5a/image/i0d7a11642bbff957/version/1637637481/image.png)
北海道百名山の利尻岳。離島とあってアクセスに時間がかかる場所です。観光シーズンは6~9月となっています。6月には利尻島の固有種リシリヒナゲシが見られ、ウニもこの時期しか獲れません。今回はシーズンも過ぎて観光客も少ない10月頭に訪れました。
登山コースの概要
登山レベル | ★★★☆☆ |
コース | 鴛泊登山口-長官山-利尻岳北峰(往復) |
コースタイム |
8時間50分 |
距離 |
12.2km |
往路アクセス | 稚内港からフェリーで鴛泊港 |
復路アクセス | 鴛泊港からフェリーで稚内港 |
![山と高原ホーダイappより引用](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s9379da560eef5b5a/image/i83debe21c4f12094/version/1637640797/image.png)
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東京からのアクセスは羽田空港から稚内空港までの直行便を使いました。関東は晴れでしたが、北海道に近づくにつれ雲が多くなり雨が降り出します。明日の天気が心配ですが登れなかったら温泉でゆっくり過ごそうかと思案しながら空の人となっております。
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細い雨が降る稚内空港に到着します。とても小さな地方空港です。土産物店とレストランがあります。空港出入口を出てすぐ左手に稚内フェリーターミナルへ向かうバス停があります。
稚内空港は12:25着でバスは12:35発となっております。だいぶタイトな乗換時間ですが、飛行機が10分早く到着したので余裕でした。フェリーへの乗継がありますので、この便を逃した場合、タクシーで移動するのも良いかと思われます。
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13:10定刻通りにフェリーターミナルに到着しました。フェリーはすでに着岸しています。14:30出港なので時間に余裕があります。お土産物屋さんを見たり、ソフトクリームを食べたりしてのんびりと過ごします。
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ターミナルには無料の観光案内冊子が置かれていますので、現地の情報をこのタイミングで調べておきます。山旅に出るとき事前に調べずに現地に着いてから、この手の冊子を見て旅程を立てることが多いです。行き当たりばったり。
フェリーに揺られること2時間弱で鴛泊港(おしどまりこう)に到着です。本日は移動のみ。ペンションの送迎をお願いしていたので到着後はすぐにお宿に向かいます。
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ペンションレラモシリさんのシングルルーム。こざっぱりして必要なものが揃っています。一人旅はシンプルな宿が使いやすいです。
夕飯まで時間があるので自転車をお借りしてあたりを走ってみることにしました。近くに道産子コンビニのセイコーマートがありますので、ガソリン(酒)とソフトカツゲン(ご当地乳酸飲料)を買いました。
ペシ岬から眺める利尻岳
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フェリーターミナルの近くにある「ペシ岬」は利尻岳のビュースポットです。小高い丘のように見えるこの場所は溶岩ドームとのこと。往復で30分もかかりませんので時間があるときは訪れたい場所です。
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ペシ岬から眺める利尻岳。ツンと尖った姿に気品を感じます。右下に見えるのが鴛泊港のフェリーターミナルです。
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ペンションのご飯は先付、ホッケ焼き、味噌汁、ウニご飯とシンプルです。この時期、ウニご飯が食べられると思わなかったのでちょっと嬉しい。
翌日は4:00出発なので早々に就寝します。レラモシリさんは登山道までの送迎時間が島で一番早いのです。ありがたや。
山頂往復が長丁場な利尻岳
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まっくらな北麓野営場です。利尻岳のコースタイムは往復9時間ちかくとなりますので夜も明けない時間から出発しました。キャンプ場のお手洗いはこの時間も使えます。
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歩き出し早々に湧水ポイントがありますよ。帰りに汲んで帰りましたが柔らかくとても美味しいお水でした。
闇の中を1時間以上歩きます。鴛泊(おしどまり)コースは歩き始めはなだらかな道で危険個所がないので暗くてもあんしんです。ちなみにヒグマもこの島にはおりません。
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夜明けです。山肌をダケカンバが金色に染めています。本州では2000m以上で見られるダケカンバが600m付近から見られます。ダケカンバとハイマツとササが混生している場所もあり、本州との植生の違いが面白い山です。
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歩き始めて2時間。朝食を頂くことにしました。ペンションで用意してくれた朝弁です。おかずが色々あってなかなか良いです。
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6合目からは登りがきつくなってきますよ。ハイマツの中をマイペースで進んでいきます。6合目から麓までが紅葉していました。10月頭とは言え、とても寒く霜が降りてもよさそうな気温でした。例年この時期に初雪が降るそうです。
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利尻岳では携帯トイレが必携となります。登山道の数か所にトイレブースがありますよ。買い忘れた場合は宿泊施設などでも販売しております。
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トイレブースの中はこんな感じです。便座に袋をかけて使用するタイプです。
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長官山に到着です。休憩できる広場となっていて石碑がたっています。石碑の左にぽちっと突き出ている岬が昨日訪れたペシ岬です。
長官山からはなだらかな尾根道が続きます。15分ほど歩くと利尻岳避難小屋に到着します。避難小屋にもトイレブースが2つありますよ。
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避難小屋の小さな入口をくぐるとビールケースで作られたベンチがありました。風も防げるのでここで一休憩。朝弁の残りを頂きました。
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避難小屋を抜けると登りが本格的になってきます。そして、風がとても強い。西から吹き付ける風が山肌を駆け登って雲を沸かせています。グローブを冬用に付替えて、マウンテンパーカーのジッパーを締め、フードを被ります。数名の登山者がいましたが皆一様にフードを被っていました。強い風のせいもあって体感温度が低いです。
火山を身近に感じるスコリアの砂礫
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地面を見れば火山噴出物のスコリアが堆積していました。黒っぽいのと赤っぽいのが入り混じっていますが、赤っぽいものは空気に触れて酸化したものとなります。このスコリアの砂礫では地面が安定せず登山道がところどころ崩れているのですが、かなり丁寧に補修されていました。
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利尻岳山頂に到着です。山頂には社がありました。利尻山1719mと書いてあります。
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山頂からみた利尻本峰1721mです。崩落がひどいので登山道はありません。昔は登れたのか、道のようなところにムシロが敷いてありますね。
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山頂からは島の南側も見えました。登ってきた鴛泊コースは雲があったのですが、島の南側は晴れています。島の北と南で天気が違うこともあると島民の方が言われていました。
山頂の滞在は20分ほど、とにかく寒いのであまりのんびりは出来ませんでした。あとは登って来たコースをひたすら降るだけです。雲がかかっているのは山頂付近で下の方は晴れています。
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14:00北麓野営場に到着。送迎のときに自転車を置いてもらっていたので帰りは自転車でペンションまで戻ります。下りなので漕がずに楽ちん。
途中、湯泳館に立ち寄り温泉に浸かって、冷え切った身体を温めます。食堂もある施設なのですが残念ながら営業時間外でした。
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昼食をどこで取ろうか迷ったのですがフェリーターミナル前のさとう食堂さんが開いていたので利用させて頂きました。
海鮮ラーメンが名物のようですがシンプルにネギラーメン800円をオーダーしました。あっさりとしていてなかなか良いです。利尻岳に登ってきたと告げると「お疲れ様」といってチョコと飴をサービスしてくれました。
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時間があったのでペシ岬から海へでます。岩の目立つ波打ち際にたくさんの昆布が漂っています。利尻昆布ですね。
ペンションに戻り、お風呂(2回目)をお借りました。日のあるうちに戻ったので大きな窓から利尻岳がはっきり見えました。登って来た山を見ながらお風呂に浸かれる。贅沢ですね。
明日は東京に戻る日です。夕飯を済ませ、持参した文庫本を読みながらウイスキーの残りをやっているうちに夜が更けました。
夜中にかなり激しい雨となりました。部屋の明かりが突如点灯します。停電です。非常照明が着いたわけです。翌朝には電気が通っておりましたが、この雨が登っている最中に来なくて助かりました。
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最終日の朝食は煮つけです。夕飯にはニシンの干物が出たのですが油がのっていて美味しかったです。関東だとあまりニシンを焼いて食べないのですが焼きニシンに目覚めました。
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8:55のフェリーまで少し時間がありました。港のすぐ前のおしゃれなカフェPORTO COFFEさんでカプチーノを頂きながら絵葉書を認めます。旅先で絵葉書を送るのがひそかな趣味です。
カプチーノのラテアートが素敵ですね。きちっとした仕事を感じてテンションが上がります。出航前の優雅なひと時を過ごさせて頂きました。
まとめ
![今回の貴重な一枚「ペシ岬に立つ虹の足」](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=612x10000:format=jpg/path/s9379da560eef5b5a/image/ieb95ffe876216599/version/1637648323/image.jpg)
利尻島はお隣りの礼文島とセットで訪れる旅行客が多いとのことです。今回は2泊3日で利尻島だけに滞在しましたが、花の時期にゆっくりと訪れてみたい場所となりました。観光シーズンにくれば生ウニを楽しむこともできますね。
利尻島にはキャンプ場も数か所あるのでベースキャンプ登山というのも楽しそうです。島をめぐるバスは便数が少ないのでレンタカーを借りると便利ですよ。
それではまたどこかの山で。
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