【三浦半島日帰り登山】三浦富士

東京からのアクセスも良い三浦半島。マリンスポーツや海水浴でにぎわうイメージがありますが、実は日帰り登山できる低山が多い場所でも有名です。今日は駅から歩いて登れる三浦富士をご紹介します。

 

おらが富士とは

おらが富士とは各地で○○富士と呼ばれている山を言います。ご当地富士や郷土富士とも言いますね。百名山の岩手山は「南部片富士」なんて呼ばれていますが、各地に富士の名前がついた山は沢山あります。そして、三浦半島には三浦富士があるのです。

 

駅から登山

出発点は京急長沢駅となります。横浜駅から京急本線快特で40分。駅前には住宅地が広がり、コンビニやスーパーもあるので登山前の買い物もできます。

 

 

YAMAP appより
YAMAP appより

今回歩いたコースはこんな感じですね。 グリーンハイツという大きな団地の裏手からが最短のハイキングコース入口となっています。しかし、今回はすこし寄り道することにしました。

 

津久井小学校を通り過ぎてしばらく行くと、案内標識が設置されている場所があります。三浦富士までは1.3kmですね。わりとすぐです。

 

この写真に目指す三浦富士が写っていますよ。どうでしょう。わかりますか?ちょうど写真の真ん中にある小さなピークが三浦富士です。ここからみると左右の丘陵のほうが高く見えますね。

 

寄り道スポットはこちら東光寺(とうこうじ)です。行基(ぎょうぎ)が建立したお寺とされており、本尊は薬師如来です。その歴史は1200年前までさかのぼります。縁起がかなり古いお寺なんですよ。

 

行基は高尾山薬王院を聖武天皇の命で建立したことでも有名です。高尾山薬王院の本尊は現在、飯縄権現になっていますが、こちらは当時のまま薬師如来を本尊としています。

 

仁王門の手前の大きな石碑に「津久井義行公」とありますが、このお寺が荒れ果てていたのを中興した三浦一族の一人です。苗字が三浦じゃないという突っ込みがあるかと思いますが、当時は治めている領地の名前を苗字としたので、三浦ではなく津久井を名乗っていました。

 

境内には猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)も祀られていました。田の神様と山の神様として顔があります。今もお寺のまわりには畑が広がり、その後ろには三浦富士を配していることから、ここに祀られている由来を感じます。

 

立ち寄りスポットから少し戻って武山ハイキングコースを歩きます。(東光寺の裏手から回り込むような感じで急坂を登ってハイキングコース入る道もあるようです。)

 

スイカ畑とソーラーパネルの道を歩きます。写真の真ん中に電波塔が見えますか?あの下にあとで立ち寄る砲台跡があります。武山ハイキングコースの一部です。

 

東光寺に立ち寄ったりしていたので一般道歩きが長かったですが、武山ハイキングコースにたどり着きました。常緑樹の森で日がさえぎられ涼しく感じます。

 

登山道わきに鎮座しているお地蔵様。シイ類やタブノキの常緑樹とアオキやキヅタが多く緑の濃い道です。特に難しいところはありませんが、三浦富士の山頂手前に分岐がありますので、右手の階段状の道を登ってください。

 

三浦富士山頂に到着です。カヤの木の前に2つの祠(ほこら)があります。富士山を祀る神社は浅間神社で、その御祭神は木花咲耶姫(このはなさくやひめ)となっています。そうすると、もう1つの祠は父親の大山津見神(おおやまつみのかみ)か、旦那様の瓊瓊杵命(ににぎのみこと)でしょうか。

 

山頂からは相模湾の眺望が得られます。遠くから三浦富士を見たときには小さなピークは全体樹木で覆われていたように見えたので景色が見られると少し得した気分になります。

 

三浦富士武山を目指して歩きます。武山に向かうハイキングコースはなだらかで歩きやすい尾根道です。

 

途中の分岐から登山道が林道に変わります。この先にスイカ畑で見えた電波塔がありますので、車が入れるように整備されているわけです。

 

道の両側に白い花の群落がありました。トキワツユクサという花です。外来種ですが花が可憐でとても綺麗です。三浦半島のハイキングコースのあちこちに見られます。日向よりも反日蔭が好きなようで林床の縁に生えていることが多いですね。

 

戦跡を忍ぶ

見晴らし台を過ぎると武山と砲台跡の分岐があります。砲台跡に向かうと電波塔に出くわします。海上保安庁武山受信所です。近づくとかなり大きいですね。砲台跡はこの電波塔の足元にあります。

 

昭和初期につくられた海軍の砲台跡です。かなり大きな砲台が据えられていたことが規模から伺えます。

 

こちらが武山山頂です。AZALEA HOUSEという展望台があって登れるようになっています。空気が澄んでいるとこの先に富士山(本家の方)が見えるようですが、今日は霞が多く見られませんでした。

 

右端に写っている住宅は武山不動の社務所です。昔から航行の安全祈願に訪れる人々が多く、別名、波切不動とも呼ばれているそうです。東国花の寺にも数えられ、4~5月には参道のツツジを目当てに多くの観光客が訪れるそうですよ。

 

武山不動に立ち寄った後はゴールの津久井浜駅を目指します。この先も道は整備されていて歩きづらいところはありません。

 

果樹園を抜けて歩いていきます。かつてイチゴと呼ばれたものがしおれてビニールハウス内に横たわっているのが見えました。シーズンに訪れて帰りにイチゴ狩りをするのも有りですね。

 

細い橋を渡り、用水路沿いを歩くルートに変わります。見た目は用水路なんですが津久井川という名前がちゃんとあります。川面には、もやもやとしたとろろ昆布のような形状をした緑の水草が繁茂しており、栄養分がいっぱい流れ込んでいるなーという感じがします。

 

草で覆われた用水路もとい津久井川の護岸にたくさんの朝顔が咲いていました。夏を感じます。


ゴールの津久井浜駅です。ですが、ここから10分もかからずに海に出る事ができますのでちょっと足を伸ばしにいきましょう。


海も楽しめる山歩き

津久井浜駅を道なりに歩いて海岸に出ました。ウィンドサーフィンを楽しんでいる方が多いです。ひさしぶり波の音を聴いた気がします。

波打ち際にクラゲがぽつぽつと打ち上げられていました。ミズクラゲでしょうか。とりあえずツンツンしておきます。

おしゃれなカフェでランチ

海岸沿いの小さなカフェ、スプライトに立ち寄りました。ランチセットはサラダとドリンク付で1300円です。

エビのクリームパスタは爽やかな酸味が効いていて美味しいです。サラダには生で食べられる南瓜とメロンが入っていました。

カフェのちかくにはブロードバウムというパン屋さんもあって入店待ちの列が出来ていました。お土産にドイツパンを買って帰ります。パンの生地は柔らかめな仕上がりでしたよ。

 

まとめ

三浦富士の二等三角点
三浦富士の二等三角点

三浦富士は武山ハイキングコースにあります。三浦半島のハイキングコースの特徴として、分岐がとても多い事があげられます。地図や案内板をきちんと確認しながら歩きましょう。道を間違えてしまったとしても住宅地に降りるので危険度は少ないと言えます。

 

武山から津久井浜駅の途中には津久井浜観光農園もありますし、海岸沿いまで足を伸ばせば飲食店も多いです。登山プラスワンの楽しみ方ができる場所。グループ登山向きのコースです。

 

登山レベル ★☆☆☆☆
 コース 長沢駅-東光寺-三浦富士-砲台跡-武山-津久井浜駅+おまけ
コースタイム 3時間
距離 8.1km
往路アクセス 京浜急行長沢駅
復路アクセス 京浜急行津久井浜駅